ミスを憎んで人を憎まず|45歳の私が「転んでもただでは起きない」と決めている理由

仕事観

「またやってしまった……」

40代半ば、責任ある立場になっても、ミスがゼロになることはありません。むしろ、自分の不注意や思い込みで、チームや取引先に迷惑をかけてしまい、情けなさで夜も眠れなくなることさえあります。

ことわざとしての「ミスを憎んで人を憎まず」は、誰でも知っています。しかし、現場で本当に大切なのは、ただ人を責めないことではありません。

「ミスをミスで終わらせず、そこから何をつかんで起き上がるか」

今回は、45歳の私が今もなお失敗から学び続けている「転んでもただでは起きない」ための仕事の流儀をお話しします。


1. 40代のミスは、なぜ「痛い」のか

若い頃のミスは「勉強代」として許される空気があります。しかし、40代・50代のミスは、経験がある分だけ周囲の目も厳しく、自分自身へのダメージも深刻です。

「この年で、こんな初歩的なことを……」 そんな自己嫌悪が、判断をさらに狂わせることもあります。

しかし、私がこれまでのキャリアで痛感したのは、**「人を責めている時、実は自分自身の責任から逃げているだけではないか」**ということです。ミスをした「人」を叩いている間は、そのミスが起きた本当の原因(仕組みの不備)を直視せずに済むからです。

だからこそ、私は「ミスを憎む」という言葉を、**「ミスが起きる構造を徹底的に分析し、二度と起きない仕組みに変える」**という強い決意として捉えています。


2. 「転んでも、ただでは起き上がらない」という執念

私のモットーは、**「転んだら、その地面に落ちている何かをつかんでから起き上がる」**ことです。

ミスが起きた時、ただ謝って、ただ元に戻すだけでは不十分です。それは単なる「現状復帰」であり、成長ではありません。

「負債」を「資産」に変えるために

かつて大きなチェックミスで損失を出してしまった際、私はただ頭を下げるだけでなく、その原因を10枚の図解にまとめました。

  • なぜ、複数の人間がチェックをスルーしたのか?
  • なぜ、その日に限って確認が漏れたのか?

その分析から、新しいデジタル承認フローを導入しました。結果的に、そのミスがあったからこそ、その後のチーム全体の作業効率は20%向上しました。 ミスという「負債」を、組織の「資産」に書き換える。 これこそが、40代からの大人の責任の取り方だと考えています。


3. ミスを憎み、人を活かすための具体的な「振る舞い」

自分も部下も、ミスをした時にどう動くべきか。私が実践している3つのポイントです。

① 感情の「クールダウン」を仕組み化する

ミスを報告された瞬間、あるいは自分のミスに気づいた瞬間。脳はパニックになり、「誰のせいだ」と犯人探しを始めたがります。 そんな時、私は**「よし、ネタ(改善の種)が来た」**とあえて口に出すようにしています。言葉で無理やり脳を「解決モード」へ切り替えるのです。

② 「Who(誰が)」ではなく「Why(なぜ)」を5回繰り返す

「誰がやったのか」を問うても解決しません。「なぜその時、ボタンを押し間違えたのか?」「なぜその情報を知らなかったのか?」と、仕組みの穴を5回掘り下げます。

③ 「自分もミスをする」という事実を共有する

私はあえて、部下たちの前で自分の失敗談を隠さず話します。「昨日、こんな勘違いをしてしまった。みんなも気をつけてほしい」と。 上が完璧を装うと、下はミスを隠すようになります。「ミスは憎むが、ミスを報告した人は守る」。この空気感が、結果として最大の防御策になります。


4. 折り返し地点での「心の器」

人生の後半戦において、私たちの価値は「どれだけ完璧か」ではなく、**「どれだけ他人の(そして自分の)失敗を許容し、リカバリーの道筋を示せるか」**にあるのではないでしょうか。

若い頃は、自分の正義を振りかざして人を正すことが「強さ」だと思っていました。 しかし今は、泥臭く失敗を認め、そこから何かを掴んで立ち上がる「しなやかな強さ」こそが、大人の誇りだと感じています。


まとめ:失敗の数だけ、人生は太くなる

どんなに気をつけていても、転ぶときは転びます。 でも、その時に泥だらけの地面を見つめて、何でもいいから「次へのヒント」を掴んでみてください。

そのヒントは、あなた自身の経験という武器になり、いつか同じように転んでしまった誰かを助ける光になります。

「ミスを憎んで人を憎まず」

それは決して妥協ではなく、「二度と同じ痛みは味わわない」という強い意志と、それでも前を向く人間への深い信頼の言葉なのです。

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